令和5年度
人権教育・啓発の推進に関する要請行動
今年度も府下市町村・各種団体・大学・企業53カ所へ要請
当会では、毎年、京都府・京都市をはじめ、府下市町村、各種団体、大学、企業の53カ所を訪問し、「人権教育・啓発の推進に関する要請行動」をおこなっています。 この要請行動は、「部落差別の解消の推進に関する法律」に基づき、教育・啓発の推進や人権相談体制の充実・見直しが求められている一方で、法務省・文部科学省により「部落差別の実態調査」が実施され調査結果が報告されたことから、この現状を踏まえ、今後の取り組み内容や、意見交換をおこなうためのものであります。 今月号より連載致します。 |
南山城村 平沼和彦 村長
令和5年4月27日(木)、南山城村・平沼和彦村長との懇談では、上田藤兵衞会長より「人権は平和の基いであり、覇権国家であるロシアによるウクライナへの侵攻により自由や民主主義を後退させてはならない。同和問題のみならず、人権問題の解決のためにも人権擁護法案の成立が必要不可欠であります」と述べられました。
この事に対し、平沼村長から「自由同和会の皆さんに於かれましては、日頃から人権教育・啓発の推進にご尽力頂き感謝しています。今後も、同和問題をはじめ、LGBT問題など、様々な問題の早期解決が図られるよう取り組んでいく」と述べられました。
笠置町 中淳志町長
同日笠置町・中淳志町長との懇談では、上田会長より「同和問題は完全に解決の方途にあるが、部落差別に関する条例化を求めている運動団体がある。当会は条例化には反対の立場であり、行政としても主体性をもち取り組んで頂きたい」と述べられました。
この事に対し、中町長からは「部落解放運動が歴史的に果たしてきた役割は大きく、これからも、みんながどうすれば幸せになれるのかを考えなければならない。基本的には、部落差別を固定化するというのは少し違うと考えており、行政は公平性をもって取り組んでいきたい」と述べられました。
和束町 堀忠雄町長
同日和束町・堀忠雄町長との懇談では、上田会長より「人権尊重の町づくりにご尽力頂いていることに敬意を表したい。当会は、人権擁護の観点から人権擁護法案の早期成立のために力を尽くしていくのでご協力を頂きたい」と述べられました。
この事に対し、堀町長から「人権のまちづくりのために、本当に大事なものは何かと考えた時に、やはり一人一人の人権を大切にすることを、毎年の要請行動で学ばせていただいている。これからも皆様の取り組みに協力させて頂く」と述べられました。
長岡京市 中小路健吾市長
令和5年5月10日(水)、長岡京市・中小路健吾市長との懇談では、上田藤兵衞会長より「同和問題は完全に解決の方途にあるが、コロナ禍での感染者や医療従事者への誹謗・中傷、SNSでの問題が発生している事を踏まえ、人権擁護法案の成立が必要であり、引き続き、協力をお願いしたい」と述べられました。
この事に対し、中小路市長からは「コロナ禍の3年間は、様々な活動制限によって抑圧された捌け口が弱者に対し、誹謗・中傷へと向かう恐れがあった。また、世界をみるとロシアによるウクライナへの侵攻が1年以上も続いており、戦争こそが最大の人権侵害であり、早く戦争状態が終結することを願っている。今後も人権教育・啓発に力を入れていくのでご指導を賜りたい」と述べられました。
向日市 安田守市長
同日向日市・安田守市長との懇談では、上田会長より「コロナ禍では、利害関係が絡むと差別意識が表に出てくる。人権への規範意識を高めるためにも人権擁護法案は必要不可欠である。世界へ目を向けても自由と民主主義が後退する傾向の中で、人権は平和の基いであることを強く訴えたい」と述べられました。
この事に対し、安田市長からは「ウクライナの戦争は、最大の人権侵害であり、決して許されるものではなく、いち早く終結することを願っている。また、当市としても同和問題だけでなくあらゆる差別のない成熟した社会を目指して頑張っていくので、引き続きご指導頂きたい」と述べられました。
久御山町 信貴康孝町長
同日久御山町・信貴康孝町長との懇談では、上田会長より「部落差別は完全に解決の方途にあるが、SNSやインターネットでの誹謗・中傷など新たな問題も出てきている。引き続き、人権擁護法案の成立に向けて協力をお願いしたい」と述べられました。
この事に対し、信貴町長からは「毎年、継続して取り組まれている自由同和会の要請行動には敬意を表します。私どもも同和問題は完全に解決の方途にあると認識していますが、人権侵害の被害者救済を図る人権擁護法案の成立は必要であるとの認識から、この法案の重要性を引き続き発信していきたい」と述べられました。
大山崎町 前川光町長
同日大山崎町・前川光町長との懇談では、上田会長より「当会は、人権に関する条例ならばともかく、部落差別に関する条例化には断固反対の立場である。人権に関する被害者救済を図る人権擁護法案が必要不可欠であり、引き続き、早期成立のため取り組んでいくので、ご協力をお願いしたい」と述べられました。
この事に対し、前川町長からは「インターネットやSNSで、間違ったとらえ方をされた差別書き込み等があることを認識している。自由同和会の要望内容をしっかりと認識し、今後とも人権教育・啓発活動に力を入れていきたい」と述べられました。
南丹市 西村良平市長
令和5年5月15日(月)、南丹市・西村良平市長との懇談では、上田藤兵衞会長より「同和問題は、解決の過程にありますが、継続して、人権教育・啓発の取り組みをお願いします」と述べられました。
この事に対し、西村市長は「本市では、人権を尊重し多様性を認めあう町づくり条例を制定しており、部落差別だけではなく、LGBTQ、障害者、外国人労働者など、幅広く人々の人権が尊重され、市民の暮らしを大切にする社会づくりを目指します」と述べられました。
京都工業会 村尾修会長
同日京都工業会・村尾修会長との懇談では、上田会長より「当会は、市民目線を忘れずに、あらゆる人権問題の解決を目指しており、被害者救済を図る目的の『人権擁護法案』の早期成立を求めています」と述べられました。
この事に対し、村尾会長からは「工業会では、労働条件の改善や人権問題を含めたサプライチェーンの確認をおこなっていく事で、あらゆる人権問題の解決に努力していく」と述べられました。
京都信用保証協会 足立裕一副理事長
令和5年5月16日(火)、京都信用保証協会・足立裕一副理事長との懇談では、上田藤兵衞会長より「国内外で企業活動での人権の尊重の高まりを受け『人権DD』が不可欠となっており、持続可能な開発目標である『SDGs』の実現など、工夫を凝らした取り組みが求められています」と述べられました。
この事に対し、足立副理事長は「私が赴任してから6年間、毎年、この要請行動で学習の機会を与えて頂いている。今後も、お客様の人権を損なうことがないようにコンプライアンスの風土づくりをはじめ、ハラスメント防止やLGBT問題を含めて取り組んでいきたい」と述べられました。
京都銀行協会 中村健児専務理事
同日京都銀行協会・中村健児専務理事との懇談では、上田会長より「SDGsや多様性の問題に対しては、人間それぞれが持っている豊かさや人を大事にする事であり、社会環境も明るくなり、これら全ての基本は人権であり、引き続き、人権研修をお願いします」と述べられました。
この事に対し、中村専務理事は「銀行では、暴力団排除のほか、S D G s の達成、障害者の方々や女性活躍の推進、各種ハラスメントの防止等、相談体制の整備に取り組んでいます。
当協会として、引き続き、不当な差別・偏見・いじめ・SNS対応などに取り組んでいきます」と述べられました。
京都工芸繊維大学 森迫清貴学長
同日京都工芸繊維大学・森迫清貴学長との懇談では、上田会長より「同和問題を人権という視点の中から取り組んでおり、このような考え方を、府下市町村をはじめ、各種団体・2・大学に言い続けてきております。今後も継続して取り組んで参りますので、ご支援、ご協力をよろしくお願いします」と述べられました。
この事に対し、森迫学長は「人権問題は様変わりしていますが、元来、人と人との関係が基本であり、私たちも学生と対等な関係であります。現在も人権教育や研修を重ねていますが、引き続き取り組んでいきます」と述べられました。
綾部市 山崎善也市長
令和5年5月17日(水)、綾部市・山崎善也市長との懇談では、上田藤兵衞会長より「もはや同和問題は解消の過程にあり、この問題だけを強調しすぎず人権という視点で解決へ導かせる事が大切であります。同和問題を特化するような条例には反対であり、何が市民にとって良いのか考えていかなければならない」と述べられました。
この事に対し、山崎市長は「人権が多様化する中で、人権かがやきプラン計画を見直し、社会的に弱い立場にある方々など、人権を尊重できるまちづくりを考えていく。このような強い思いをもって推し進めていきます」と述べられました。。
福知山市 大橋一夫市長
同日福知山市・大橋一夫市長との懇談では、上田会長より「同和問題の解決で最大の壁であった結婚差別は、長きにわたる教育・啓発の取り組みにより、大きく理解が進み、既に、最終段階を迎えています。いまなお、差別は厳しいと強調するのではなく、これからは市民目線に立った取り組みが必要であります」と述べられました。
この事に対し、大橋市長は「本市においては、人権行政を主要な施策の一つと位置付け、これまで、あらゆる人権問題の解決に取り組んできました。しかし、今なお、予断や偏見に基づく差別もありますが、第4次人権施策推進計画を策定し、人権文化の創造と共に、共生社会の実現に向けた取り組みを強力に進めていきたいと考えています」と述べられました。。
舞鶴市 鴨田秋津市長
同日舞鶴市・鴨田秋津市長との懇談では、上田会長より「人権問題が多様化する中で、私たちの取り組みも工夫を凝らした取り組みが求められています。行政も私たちの運動も、常に市民目線で共感を持たれるように取り組む必要があります」と述べられました。
この事に対し、鴨田市長は「本市では、一人一人の人権が尊重されるまちづくりを掲げる中で、人権の集いやフェスタ、講演会や映画の上映会をおこなっており、引き続き実施をしていきます。第7次舞鶴市総合計画の後期実行計画には、同和問題をはじめ様々な人権問題の解決に向けて、しっかりと取り組んでいきます」と述べられました。。
木津川市 谷口雄一市長
令和5年5月18日(木)、木津川市・谷口雄一市長との懇談では、上田藤兵衞会長より「人権教育・啓発の要請行動は今年で26年目を迎えており、当会は同和問題だけでなく、あらゆる人権問題に関する取り組みを推進しており、念願である被害者救済を図る目的の『人権擁護法案』が成立するまで取り組みを強化して参りますので、ご支援、ご協力をよろしくお願いします」と述べられました。
この事に対し、谷口市長は「4月26日に、市長に初就任しましたが、自由同和会の皆様の人権教育・啓発の取り組みに敬意と感謝を表したい。第2次木津川市総合計画に基づき、SDGsの『誰一人取り残さない』、『一人の人間として大切にされている』ことを実感できるまちづくりに取り組んでいきます」と述べられました。
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井手町 島田智雄副町長
同日井手町・島田智雄副町長との懇談では、上田会長より「部落差別は、完全に解消されたわけではなく、解消過程にあり、部落差別を拡大解釈する『条例化』には反対の立場を明確にしており、部落差別を強調するのでなく、人権という大きな視点で取り組んで頂きたい」と述べられました。
この事に対し、島田副町長は「コロナ禍にクラスターが発生したこともあって、感染者に対する誹謗・中傷がありました。また、SNSでは、巧妙な差別発言もあり、部落差別など差別意識は薄れつつありますが、まだ啓発を推進していかなければならないので、引き続き差別のない町づくりを目指していくので、ご指導をお願いしたい」と述べられました。。
宇治田原町 西谷信夫町長
同日宇治田原町・西谷信夫町長との懇談では、上田会長より「同和問題は解消の過程にありますが、SNSやインターネットでの誹謗・中傷など新たな問題も発生している。部落差別の解消を後退させるような条例化にも断固反対であり、そういった動きには毅然とした態度で臨んでい頂くと共に人権擁護法案の成立に向けてご協力をお願いしたい」と述べられました。
西谷町長から「自由同和会京都府本部の皆様の人権教育・啓発への活動や街頭啓発活動には心から敬意を表する。私どもでは、毎年人権教育・啓発の取り組みを続けている。差別のない明るい誰もが安心して暮らせる町づくりをしていきたい。人権擁護法案については、他市町村と連携して成立に向けた協力をしていきたい」と述べられました。
お悔やみ
京都府和束町の堀忠雄町長が、令和5年6月29日、出張中の北海道中標津町において交通事故にてご逝去されました。ご生前のご厚情に深く感謝するとともに、心よりお悔やみ申し上げます。 |