令和6年
人権教育・啓発の推進に関する要請行動
今年度も府下市町村・各種団体・大学・企業53カ所へ要請
当会では、毎年、京都府・京都市をはじめ、府下市町村、各種団体、大学、企業の53カ所を訪問し「人権教育・啓発の推進に関する要請行動」をおこなっています。 今年度は「部落差別の解消の推進に関する法律」に基づき、教育・啓発の推進や人権相談体制の充実・見直しが求められている一方で、法務省・文部科学省により「部落差別の実態調査」が実施され調査結果が報告されたことから、この現状を踏まえ、今後の取り組みについて、意見交換をおこなうためのものであり、上田藤兵衞会長より、国内外の人権問題の現状について説明し要望書を手渡しています。(今月号より連載) |
(主な要望項目)
- 「部落差別解消法」を「条例化」する事に活発な動きをしている運動団体がありますが、当会は断固反対の立場を明確にしています。
このような「条例化」について、どのような見解を持たれているのか。
- 「部落差別解消法」に明記されている部落差別の実態調査が実施され、既に調査結果が公表されていますが、どのような見解を示しているのか。
- 法律に明記されている教育・啓発の推進並びに相談体制をどのように整備されているのか。
- 私たちが強く成立を求めている「人権擁護法案」が早期に成立するよう政府に対する働きかけ。
- 昨年度に発生した同和問題に関する差別事象の件数及び内容について。
- 「LGBT理解増進法」の成立により、どのような取り組みをおこなっているのか。
- 「いじめ防止対策推進法」を踏まえ、どのような取り組み並びに推進体制を整備されているのか。
- 「障害者差別解消法」を踏まえ、どのような取り組み並びに推進体制を整備されているのか。
- 「パワハラ防止法」を踏まえ、セクハラ問題などについて、どのような取り組み並びに推進体制を整備されているのか。
- 暴力団が隠れみのとしておこなう恐れのある「えせ同和」行為を抜本的に排除するために、どのような取り組み並びに推進体制を整備されているのか。
以上の主な要望項目についての見解及び意見交換をさせて頂いていますので、今月号より連載致します。
このような「条例化」について、どのような見解を持たれているのか。
京都女子大学 竹安栄子 学長
令和6年5月14日(火)、京都女子大学・竹安栄子学長との懇談では、竹安学長より「世界情勢を含め人権に対する考え方が流動化しており、日本においても包括的な法制度が必要である」と述べられました。
株式会社商工組合中央金庫京都支店 守田伸英次長
令和6年5月15日(水)、株式会社商工組合中央金庫・守田伸英次長との懇談では、守田次長より「毎年、このような機会を頂き、意識をもって取り組む事が出来る。近年、ビジネスと人権がクローズアップされ定期的に研修などをおこなっていますが、引き続き、取り組んでいきたい」と述べられました。
京都信用保証協会 別府正広副理事長
同日、京都信用保証協会・別府正広副理事長との懇談では、別府副理事長より「誰もが生き生きと自分らしさを出し輝いて、繋がり合い、助け合うという事が大切であると考えています。人権研修で学習した内容を活かし、日頃の業務の中で、お客様方に寄り添った対応が出来るよう努めていく」と述べられました。
日本政策金融公庫京都支店 但馬利明副事業統轄
同日、日本政策金融公庫京都支店・但馬利明副事業統轄との懇談では、但馬事業統括より「日本政策金融公庫では、従来から人権問題の研修などを繰り返し、人権意識をもってお客様への対応をおこなっています。毎年の要請行動の趣旨を踏まえ、今後とも人権問題に対し適切に対応していきます」と述べられました。
京都経営者協会 前川重信会長
同日、京都経営者協会・前川重信会長との懇談では、前川会長より「毎年、熱心に要請行動をされている事に敬意を表する次第であります。差別意識は減少傾向にあるように感じますが、それは自由同和会のたゆまぬ努力が実を結んでいるものと思います。引き続き、人権問題の解決に向け、共に取り組んでいきたい」と述べられました。
京丹波町 畠中源一町長
令和6年5月16日(木)、京丹波町・畠中源一町長との懇談では、畠中町長より「同和問題につきましては、引き続き人権教育・啓発の取り組みが必要であると認識しています。社会情勢の急激な変化によりインターネットによる人権侵害や性的少数者等に対する新たな人権問題が発生するなど多様化・複雑化をしている。町では『みんなで元気・希望・笑顔の溢れる京丹波町に』を基本理念とし、人権を尊重し合い、暮らしやすいまちづくりを目指していく」と述べられました。
綾部市 山崎善也市長
同日、綾部市・山崎善也市長との懇談では、山崎市長より「LGBTQ・外国人労働者・高齢者・子供・障害者を含めた社会的に弱い立場にある方が守られるような啓発を引き続き取り組む必要がある。市においても人権が尊重されるまちづくりを総合計画で掲げており、引き続き、強い思いで取り組んでいく」と述べられました。
京都府商工会連合会 沖田康彦会長
令和6年5月21日(火)、京都府商工会連合会・沖田康彦会長との懇談では、沖田会長より「自由同和会京都府本部の熱心な活動に感謝と敬意を表します。今や世界情勢を見ると個人が個人を攻撃することが平気な世の中になってしまっているように思います。私たちは人を大切にし、世界平和を掲げ、今後も自由同和会の皆様と情報共有しながら精進して参ります」と述べられました。
京都工芸繊維大学 吉本昌広学長
同日、京都工芸繊維大学・吉本昌広学長との懇談では、吉本学長より「学生教育の一環として人権教育は大変重要であります。人に手を差しのべられ、尊重し合い、昨年成立したLGBT理解増進法や障害者差別解消法などの人権教育を引き続き取り組んでいきたい」と述べられました。
京都薬科大学 赤路健一学長
同日、京都薬科大学・赤路健一学長との懇談では、赤路学長より「教育にたずさわる指導者として人権は最も大切な問題である。当学は生命を扱う医療職種の一部を対象とする大学なので、特に、人権問題については熱心に取り組んでいます。このように毎年訪問頂き、改めて人権教育を見つめ直す機会となっており、今後ともよろしくお願い致します」と述べられました。
佛教大学 伊藤真宏学長
令和6年5月23日(木)、佛教大学・伊藤真宏学長との懇談では、伊藤学長より「学内に人権教育センターを設置しており、本学の建学の精神・仏教精神に基づき、人権に関する教育・研修をおこない人権意識の向上に努めています。また、ハラスメント等の人権侵害に関する相談や救済活動にも取り組んでおり、常に、人権を大切にする環境を醸成する事を目的に、引き続き、人権研修会・人権セミナーの実施をおこない、教職員・事務職員・非常勤講師・学生を対象に継続して取り組んでいきます」と述べられました。
京都銀行協会 中村健児専務理事
同日、京都銀行協会・中村健児専務理事との懇談では、中村専務理事より「銀行では、暴力団排除のほか、SDGsの達成、障害をお持ちの方や女性の活躍推進、各種ハラスメントの防止、性的マイノリティーを含む多様性の尊重などの相談体制の整備をおこなうことは、企業の社会的責任と捉え、引き続き積極的に取り組んでいきます。当協会としても同和問題をはじめとする、あらゆる人権問題が着実に解決に向かう取り組みを推進していきます」と述べられました。
西日本高速道路株式会社 前川秀和代表取締役社長
令和6年5月28日(火)、西日本高速道路株式会社・前川秀和代表取締役社長との懇談では、前川社長より「人権問題については、当社としても様々な研修をおこない様変わりする人権問題を社員と共に学習し人権意識のアップデートを図っていきます」と述べられました。
宇治市 松村淳子市長
令和6年5月29日(水)、宇治市・松村淳子市長との懇談では、松村市長より「日頃から様々な人権問題の解決に向けて、ご尽力を頂いている事に対し心から敬意を表します。子どもたちの多くがスマホを持ち、ネットに精通する時代だからこそ、他人を思いやる気持ちや尊重する気持ちを学校教育だけでなく様々な場面で教えていきたい。また、部落差別についての現状では、部落差別に特化した条例を制定するつもりはない」と述べられました。
和束町 馬場正実町長
同日、和束町・馬場正実町長との懇談では、馬場町長より「私が役所に入庁した昭和の終わり頃には、確認・糾弾という運動がありました。私は、故野中広務先生には、お世話になり色々な場面で大切な教えを頂いたことを忘れずに、これからも人権問題について、しっかりと取り組んでいきたいと考えている」と述べられました。
笠置町 山本篤志町長
同日、笠置町・山本篤志町長との懇談では、山本町長より「日頃から様々な人権問題の解決に向けてご尽力を頂いていることに対し心から敬意を表します。現在、ネット社会の中で誰もが人権が脅かされるように感じている。特に、コロナ禍では感染者に対する差別的な扱いがあり、身近なところに人権問題があることを再認識した。誰もが人権を大切にし、他人を思いやるという教育を推し進め、頂いた要望内容を町運営にも活かしていきたい」と述べられました。
京都市民生児童委員連盟 井筒隆夫会長
令和6年5月30日(木)、京都市民生児童委員連盟・井筒隆夫会長との懇談では、井筒会長より「我々は社会奉仕の精神・基本的人権の尊重を基本として、日々の活動を展開しております。近年は、パワハラ・セクハラなどのハラスメント防止、LGBTQの理解向上などの社会的課題に加えて、地域では子供の貧困・ヤングケアラー・児童虐待・高齢者や障害のある方への虐待・8050問題など人権問題は、多様化、複雑化しております。我々も時代のニーズに合わせた課題対応に向けて、研修等で知識や理解を深め、地域福祉の向上に努めて参ります」と述べられました。
京都市社会福祉協議会 高屋宏章副会長
同日、京都市社会福祉協議会・高屋宏章副会長との懇談では、高屋副会長より「当会の取り組みは、人権とは切り離せる問題でなく、常に職員研修をおこないながら、人権・福祉の重要性を啓発していきたいと思っています。今後も共に、取り組みながら協力していきたい」と述べられました。
小石玖三主会長が5月にご逝去されました。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。 |