「京都市いきいき市民活動センターの在り方の
基本方針」を策定!
自由同和会京都市協議会の意見が反映される
会議室、音楽室など100円から600円に改正
事業者も会議室などの利用が可能に
京都市では、令和3年1月29日、「京都市いきいき市民活動センターの在り方の基本方針」を策定しました。
京都市では、コミュニティセンターの廃止に伴い、既存施設を社会資源として有効活用し、市民がいきいきと活動できる場所と機会を提供するため、平成23年度から市内13箇所に「いきいき市民活動センター」を設置しています。
設置から約9年が経過し、いきいきセンターが真に市民生活、市民活動を総合的に支援する施設へと進化していくため、今後のいきいきセンターの在り方について、基本的な考え方を示すことを目的として、この度、市民意見募集の結果等を踏まえた「京都市いきいき市民活動センターの在り方の基本方針」が策定されました。
利用料金制を導入し、利用料金の適正化を行うとともに、更なる施設の有効活用と市民活動の活性化につなげるため、利用対象範囲を拡大し、利用区分に応じた利用料金の上限額を定める条例改正案が2月議会に料金改定が提案されました。
京都市醍醐いきいき市民活動センター
(基本方針の内容)
第1.方針策定の目的
京都市いきいき市民活動センター(以下「いきいきセンター」という。)は,コミュニティセンターの廃止(平成22年度末)に伴い,既存施設を社会資源として有効活用し,市民がいきいきと活動できる場所と機会を提供するため,当該施設を転用する形で,平成23年度から市内13箇所において供用を開始しました。
設置当初から,指定管理者制度を導入し,それぞれが独立した公の施設として,指定管理者を中心に,地域や利用者との「交流」,「協働」を通じ,特色ある施設への「進化」を目指すこととしています。
本方針は,設置から約9年が経過し,いきいきセンターが真に市民生活,市民活動を総合的に支援する施設へと進化していくため,今後のいきいきセンターの在り方について,基本的な考え方を示すことを目的として策定するものです。
第2.いきいきセンターの性格と役割
1 設置目的
市民公益活動,サークル活動など市民活動を幅広く支援していくため,京都市市民活動総合センターを補完し,市民がいきいきと活動できる場所と機会を提供しています。
2 コンセプト
京都市市民活動総合センターのブランチ機能を有しつつ,それぞれが独立した公の施設として,施設管理者を中心に,地域や施設利用者との「交流」,「協働」を通じ,それぞれが特色ある施設へと「進化」していく在り方を目指すこととしています。
3 主な事業
(1) 貸館事業
市民公益活動,サークル活動等広く市民の自主的な活動のため,会議室等を使用することができます。
(2) 市民活動支援事業・市民活動活性化事業
市民活動支援事業として,市民団体等の相談対応,団体間の交流促進,情報発信等を実施して います。また,市民活動活性化事業として,市民活動の活性化を目的としたイベントや,市民活動を支援するための各種講座や研修会等を実施しています。
(3) 高齢者ふれあいサロンの運営
主として,高齢者の憩いの場として自由に利用できます。また,従来,地域の集会所的な機能も担ってきた経過等を踏まえ,許可を得て,地域の自治会等による地域コミュニティ活動や葬儀等の実施のために利用できます。
第3.現状と課題
1 貸館事業
○ 利用件数が年々増加し,稼働率も上昇しており,市民活動団体,サークル等の活動拠点として定着しています。
○ 高い稼働率を維持する施設がある一方で,稼働率が低迷している施設もあるなど,施設によって利用状況に差が生じています。
2 市民活動支援事業・市民活動活性化事業
○ 市民活動支援事業として,市民団体等からの相談対応,団体間の交流促進などを実施していますが,施設によっては,事業の認知度,利用頻度共に低くなっています。
○ 市民活動活性化事業として,指定管理者の得意分野・専門分野を活かした取組が展開されていますが,中には地域のお祭りやイベントなど,いきいきセンターのない地域では,地域団体の自主的な財源により取り組まれている事業も含まれています。
3 高齢者ふれあいサロンの運営
○ 利用者数が大きく伸びている施設もありますが,全体として,利用者が減少しています。
4 その他
○ いきいきセンターの運営経費は,合計で年間2億5千万円です。そのうち施設使用料などの収入は合計約2千万円であり,残りの約2億3千万円は税金でまかなわれています。
○ 既存施設を転用しており,建築から50年を経過する施設もあるなど老朽化が進んでいることから,施設を継続して運営していくためには,今後,多額の経費が必要になる事態が想定されます。
第4.施設運営の基本的な考え方
これらの現状と課題を踏まえた,いきいきセンターの在り方について検討を行うため,平成31年3月に,京都市市民活動センター評価委員会(以下「評価委員会」という。)に対し「京都市いきいき市民活動センターの在り方について」を諮問しました。評価委員会は,令和元年度内に6回にわたって今後のいきいきセンターの中長期的な在り方について審議し,令和2年3月に「京都市いきいき市民活動センターの在り方について 答申」(以下「答申」という。)が提出されました。
評価委員会の答申を踏まえるとともに,令和元年度に実施した指定管理者ヒアリングと利用者アンケート等の利用状況調査,令和2年度に実施したサウンディング型市場調査の結果などを参考に,いきいきセンターが,真に市民生活,市民活動を総合的に支援する施設へと進化していくため,次に掲げる考え方を基本とし,次期指定管理期間(令和4年度開始)からの施設運営を行います。
1 指定管理業務の仕様の見直し
(1) 貸館事業
貸館事業については,利用が増加しており,市民団体や地域団体の活動拠点として定着していることを踏まえ,各施設の稼動状況や利用者のニーズに合わせた諸室の供用を検討しつつ,継続して実施します。
また,各いきいきセンターの立地条件が異なることや,指定管理者ヒアリング等で把握した運営状況を踏まえ,指定管理者による利用者増に向けたインセンティブが働く仕組みの設定及び利用者サービスの更なる向上のため,利用料金制を導入します。
併せて,各センターの立地条件や周辺類似施設の状況を勘案して利用料金の適正化を図るとともに,更なる施設の有効活用と市民活動の活性化につなげるため,利用対象範囲を拡大します。
これらにより,指定管理者の創意工夫を一層引き出すとともに,それぞれが独立した特色ある施設への「進化」を目指します。
そのうえで,利用が見込めない施設については,市民や地域が主体となる活動拠点への転用も含め,改めて資産の有効活用の観点から活用方法を検討します。
(2) 市民活動支援事業・市民活動活性化事業
市民活動支援事業・市民活動活性化事業については,これまでの事業の実績及び地域や利用団体のニーズを踏まえ,より効果的に事業を展開するため,必須業務ではなく提案制とし,指定管理者の選定過程において,評価委員会が事業内容を審査し,その結果を踏まえ採択したものを実施する仕組みを導入します。
さらに,採択された事業の成果や実績について,毎年度,評価委員会において評価を行うことで,提案された事業が適正に実施されているか確認するとともに,次年度以降も事業内容がより良い ものへと発展・充実していく循環の構築を目指します。
なお,市民活動活性化事業のうち,いきいきセンターがない地域では地域の自主的な財源により取り組まれている事業については,それぞれの状況を踏まえつつ,地域の活性化に向けて自立的に実施される取組への移行を進めていきます。
市民活動支援活性化事業が行われています
(3) 高齢者ふれあいサロンの運営
高齢者ふれあいサロンについては,高齢者の憩いの場としての利用が全体的に減少している中で,利用者が極めて少ないところがある一方で,高齢者を地域活動の担い手と捉え,様々なイベント等を開催することにより利用者が増加しているところもあります。こうした現状を踏まえ,現在の高齢者を対象とする限定的な運営から,多世代が利用し交流できる施設へと見直すとともに,必須業務ではなく提案制とし,指定管理者の選定過程において,評価委員会が事業内容を審査し,その結果を踏まえ採択したものを実施する仕組みを導入します。
さらに,採択された事業の成果や実績について,毎年度,評価委員会において評価を行うことで,提案された事業が適正に実施されているか確認するとともに,次年度以降も事業内容がより良い ものへと発展・充実していく循環の構築を目指します。
なお,いきいきセンターの一部として十分な活用が見込めない場合には,市民や地域が主体となる活動拠点への転用も含め,改めて資産の有効活用の観点から活用方法を検討します。
高齢者ふれあいサロンは多くの方が利用されています
2 施設の更なる進化に向けた活用提案の募集
いきいきセンターについては,これまでの指定管理者制度により運営する枠組において一定の成果を挙げてきていますが,本市の厳しい財政状況の下,市民活動支援を持続可能なものとするため,市民活動や地域活動の支援に意欲的な団体(市民団体,地域団体,NPO法人,企業等)の自由な発想に基づく運営に委ねるという選択肢も検討すべき時期に来ています。
そこで,未利用部分の活用も含め公の施設としての運営にとらわれない柔軟な手法も含めた様々な活用方法を検討するため,サウンディング型市場調査を実施しました。
頂いた提案・意見から,更なる進化に向けた施設活用について一定の可能性があることは把握できましたが,新型コロナウイルスによる事業への影響も懸念される状況では提案は困難であるといった意見もありました。
また,頂いた提案についても,指定管理者制度の枠組による公の施設としての運営を前提とするものであることに加え,施設の活用に当たっては,本市による施設・設備の整備や経費の負担を前提とするもの,施設の利用可能期間の明示を求めるものなどがありました。
今回の調査結果を踏まえ,公の施設としての運営にとらわれない効果的かつ実効性・実現性の高い提案を頂くため,各いきいきセンターの立地や施設・設備の状況,利用可能期間など活用に関する課題の整理を進め,市民活動や地域活動の支援に意欲的な団体の自由な発想に基づく運営について,引き続き検討していきます。
3 老朽化する施設の対応方針
いきいきセンターの施設は,築50年以上経過したものが3施設,築40年以上経過したものが6施設であるなど,全体として老朽化が進行しています。答申においても言及されたとおり,いきいきセンターは,資産を有効活用する観点から既存施設を転用したものであり,利用可能な期間における暫定利用であるとも解されることから,多額の経費を要する大規模修繕等は行わないことを基本とします。
また,今後の施設の供用期間や活用方法については,いきいきセンターの施設単体で考えるだけではなく,京都市庁舎施設マネジメント計画や京都市市営住宅ストック総合活用計画などの考え方を踏まえ,いきいきセンターが所在する地域全体の市有施設・敷地を最適活用する観点から方向性を定めていきます。
一方で,現行の施設をいきいきセンターとして供用する間に施設の安全性を維持するために必要となる補修については,今後の施設の供用期間や活用方法を踏まえ,優先順位を定めながら計画的に実施していくこととします。
なお,これまでいきいきセンターが実施してきた市民活動支援や市民活動活性化事業等において,利用者との交流・協働により生まれた取組については,施設供用期間の経過後も自主的な取組として継続できるような方策を検討します。
(京都市市民活動センター条例改正の概要)
現行 | 改正案 | ||||||||||||||||||||||||||||||
別表第3( 2 いきいきセンター
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別表第3( 2 いきいきセンター
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