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主催者挨拶

「解放令150年記念大会」戊辰戦争の功労から授かる。差別のない未来を目指して更なる前進を遂げよう。

自由同和会京都府本部
会長 上田 藤兵衞

 失礼致します。
 皆様、ご挨拶の前に、先程、吉井あきら参院候補からお話がありましたように、
安倍晋三元総理の悲報がありましたが、ご回復をお祈りするばかりでございます。
皆様、このまま大会行事に移りますが、よろしくお願いしたいと思います。
 あらためまして、只今、ご紹介を賜りました、会長の上田藤兵衞でございます。
 本日は、第37回自由同和会京都府本部大会、並びに関係団体の大会を開催致しましたところ、このように、多くの皆様に、ご参集賜りました事に心から厚く御礼申し上げます。
 ありがとうございます。
 本日は、多くのご来賓をお迎えする中、京都府より古川博規副知事様。京都市より吉田良比呂副市長様をはじめ、府下市町村の人権担当の皆様方。
 自由民主党からは文部科学副大臣であられます田中英之衆議院議員様、菅谷寛志京都府議会議長様、田中明秀京都市会議長様をはじめ府議会・京都市会議員の皆様方、また、経済界からは、京都商工会議所をはじめとする各種団体の皆様そして、大学や企業の代表の皆様方。
 また、地元京都だけでなく全国からも、多くの仲間にも駆け付けて頂き、このように盛大に開催出来ました事を心より厚くお礼申し上げます。
 ありがとうございます。
 ご案内の通り、コロナ禍により一昨年と昨年は、大会を中止致しましたが、今年は、皆様とこのように再会することができましたので、今一度私たちを取り巻く環境について、大きく2点ございますので、お話させて頂きたいと思います。
 まず、1点目は同和問題の現状でございます。
 ご承知の通り、33年間に渡り続いた、同和対策の特別措置法は、平成14年3月に失効致しました。
 現在は「部落差別解消法」が、平成28年に成立しており、ちょうど6年目を迎えております。
 この法律が成立した背景にはSNSなどの普及に伴い、ネット上での誹謗・中傷や悪質な差別書き込みが増加傾向にあることや、一部の地方公共団体で同和施策が後退傾向にあったことから、当時の自由民主党幹事長の二階俊博先生と協議致しましてこの法律を成立させたのであります。
 この法律は、教育・啓発の推進や相談体制の充実、そして、第6条には「部落差別の実態調査」が明記されており教育・啓発や相談体制については、自治体においては、大きく見直しをして頂きました。
 また、実態調査についても既に、法務省・文科省により、実施されたところであります。
 この調査結果では、私どもが想定していた通り「同和問題は、完全に解決の方途にあることが証明された」との、見解を私どもは発表致しましたが、 一部、課題もあることから今後の取り組みに反映させて参りたいと思います。
 ただ、心配なことがあります。
 それは、調査結果を見るまでもなく同和問題の解決は大きく前進しているにも関わらず「部落解放同盟」は、「部落問題は、未だに厳しい」として、全国の自治体に対し「条例化」運動を推し進めております。
 この京都においてもその取り組みを推し進めており、本日、ご参加されている市町村の中にも「人権」と言う名称で「条例」を制定している市町村があります。
 先程も述べましたが、制定されました「部落差別解消法」による実態調査によって、この問題は、完全に解決の方途にあるとしている現状でありますのに、なぜ、その上に「条例」が必要なのでしょうか・・・。
 このような事で、府民や市民から理解が得られるのか今一度、この事を検証する必要があります。
 私どもは、このように、同和問題に係る「条例化」には断固反対の立場であることを、ここで改めて明確に宣言しておきたいと思いますので、もし、お考えのある市町村がございましたら、是非とも、相談を頂きたいと思います。
 そして、2点目は、国内外の情勢であります。
 現在、ロシアによるウクライナへの侵攻により、多くの犠牲者が出ておりますが、これはジェノサイドという大量虐殺であります。
 この事には、どのような、正当化する言葉も見あたらないのであります。
 先の20世紀には、世界を巻き込んだ大戦が二度も起こり、特に、第二次世界大戦では特定の人種への迫害や大量虐殺など、また、環境破壊と共に人権侵害、抑圧が横行致しました。
 このように、人類は、大戦の惨禍を経て、世界の平和と確かなものとすべく米国大統領ルーズベルトの呼びかけによって、世界的な平和機構としての国際連合が創立されたのであります。
 そして四つの指導原則の中でも、特に平和と安全保障を担保すべく、第3回国連総会では「世界人権宣言」として、採択されことは、誰もがご承知の通りであります。ですから、今日も人権政策は単なるスローガンではないのであります。
 LGBTをはじめ、ジェンダー問題、パワハラ・セクハラ・モラハラなど、様々なハラスメント問題など、多種多様な問題にまで、人権問題は様変わりして来ております。
 これらに、一つひとつ、政府は個別法で答えていくのでしょうか・・・。
 やはり求められるのは、基本的な法律ではないでしょうか・・・。
 ここで失礼ながら、少し端折りますが確認事項がございますのでよろしくお願いします。
 私たちの運動の始まりは、長く長く閉ざされて来た鎖国政策の徳川幕藩体制を打破すべく立ち上がった戊辰戦争の功労から、明治4年に「解放令」が公布されまして、昨年は、ちょうど150年を迎えました。
 実際に、私が生まれ育った山科の竹鼻も川田も、その山科隊に加わりまして、ご先祖は、その戊辰戦争で戦って参りました。
 戦って自由を得たのであります!
 無論、御所への奉仕活動も担って参っております。
 昨年は、その大会を開催できませんでしたので私どもは、本日の大会をその「解放令からの150年記念大会」と位置づけております。
 そうした、歴史の流れの中で結果として、私たちは民主主義を選択して現在があります。
 また、今日、官民をあげて「21世紀は人権の世紀」であると訴えている国家はどこでしょう!
 こう言ったことを確認しておきたいのであります。
 ですから日本国憲法の改正議論が現在、盛り上がっている真っ只中にありましても、「人権条項」は、残さなければならない人類史の慟哭と英知が創造し、やっとここに辿り着いた普遍的な価値観であるからであります。
 ですから、他の運動団体のようにロシア革命の申し子である水平社運動とは、根本的な処で、私どもとの運動の違いがここにあるのであります。
 ロシアの恐怖は、プーチンだけではないのであります・・・。
 失礼致しました。

 私たちが強く成立を求めている「人権擁護法案」は、前述のように過去の大戦からの教訓となる「人権法」であり、また法案の立法化はこの法案の産みの親である、故・野中ひろむ先生のご遺言でもありまして私は、私の町内、私の住まいする窓から野中先生のお墓が目に入る距離にあるんです。
 毎日、毎日、見つめられているのか、守ってくれているのか、今日ここへ来る会場へ入る前にそのお墓参りに行ってきました。
 そしたら、墓前のマグカップにいっぱいコーヒーが入っていました。
 あぁ、いつも、なかなか届いてなかったのに、先生の好きなコーヒーが溢れるばかりに入っていました。
 本当に救われた思いです。
 私は、その先生のご意志を、ご案内のように、直接、引き継いでおりますから、この「人権擁護法案」を、立法化させるまでは、走り続ける覚悟であります。
 どうでしょうか、これらの確認事項を、先程から申し上げておりますように端折っていますがご理解いただけたでしょうか・・・。
 宜しくお願いしたいと思います。
 最後になりますが、参議院選挙の終盤を迎えております。
 私たちが、自信をもって推薦致しました吉井あきら候補が力強く先程も決意を語ってくれました。
 何としても、二之湯智先生の議席を死守し「吉井あきら候補」を国会へ送り出さなければならないという、これも運動家としての使命が、我々にはあります。
 どうか、ご参加の皆様におかれましては、ご支援、ご協力賜りますよう、お願い申し上げますと共に、皆様方へのお礼のご挨拶とさせて頂きます。
 本日は、誠にありがとうございました。