新年のご挨拶
「新しい資本主義」と整合させた「人権擁護法案」を制定しよう
自由同和会京都府本部 会長 上田 藤兵衛
失礼、致します。
自由同和会京都府本部会長の上田藤兵衞です。
皆様、新年あけまして、おめでとうございます。
皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えになられた事と、心よりお慶び申し上げます。
さて昨年も、新型コロナウイルス感染拡大により、私たちの生活は一変し、大きな支障をきたす事となり、この感染症により、多くの方がお亡くなりになられ、また、今なお、感染症で苦しんでおられる方々に、哀悼の意をあらわすと共に、心よりお見舞い申し上げる次第であります。
そして、これら感染対策において、政府をはじめ、京都府、京都市においても関係する職員の皆様方の献身的なご努力に、感謝と敬意を申し上げなければなりません。
また、この度、新型コロナウイルスの新たな変異株である、オミクロン株の感染者も京都で確認されていますので、皆様にはくれぐれも、お気をつけ頂く事を願うばかりであります。
そして、このコロナ禍により、私は、危惧していることがあります。
それは、感染症に関して誤った情報や認識に基づき、感染者やその家族などへの不当な差別・偏見・いじめ・SNSでの誹謗・中傷などの発生であります。
なぜなら、このような行為は重大な人権侵害でありますので、皆様におかれましては、憶測やデマにまどわされず、行政機関の情報に基づき、冷静に行動して頂くことをお願い致します。
先程も述べましたように、このコロナ禍において、私たちの生活が大きく変化したわけですが、一方で、私たちの運動も大きく変化致しました。
毎年、1月には、新春懇親会を開催しているのですが、昨年に続き、本年も中止せざるを得ない状況になりました。
また、定期大会や人権セミナーも中止することとなりました。
このように、コロナ禍の中で、私たちに少しずつ変化をもたらし、これまでのような運動スタイルではなく、創意工夫をこらしたスタイルを模索しなければなりません。
たとえば、毎年、8月の人権強調月間と12月の人権週間では、四条河原町で、啓発グッズを街行く人たちにお配りする街頭啓発活動を実施していますが、このコロナ禍のため、三密をさけ、直接手渡しせずに啓発グッズをかごに入れ、各自で取って頂くように配慮した、呼びかけをおこなっています。
また、京都府・京都市をはじめ、府下市町村や大学・各種団体に対し、人権教育・啓発の推進に関する要請行動を実施していますが、人数・時間制限をおこない、必要最低限度の要請行動に切り替えました。
このように、コロナ禍のため、私たちの生活・働き方全てが、一変しましたが、私たちは新しい運動スタイルを模索し、多くの皆様に、人権問題への協力と理解を求めてまいりますので、引き続きご支援・ご協力賜りますようよろしくお願い致します。
さて、平成28年末に同和問題に特化した「部落差別解消法」が成立し、5年が経過しました。
これまで33年間にわたり、同和対策特別措置法が施行されてきましたが、平成14年の3月に失効して以来、あらたに「部落差別解消法」が成立したのであります。
この背景には、同和問題の差別事象は、減少傾向にあるとはいうものの、今なお、インターネットなどで、悪質かつ、誹謗・中傷する差別書き込みでの人権侵犯事件が、後を絶たない状況や、一部の地方公共団体で、同和施策が後退傾向にあったからであります。
このような状況を改善させるために、当会の友好政党である「自由民主党」の、当時、幹事長であられた二階俊博先生へ現状を訴え、党内に委員会を立ち上げて頂き、法案作成に取りかかり、議員立法として成立したのであります。
この法律が成立したことで、一部の地方公共団体の、同和問題の取り組みや相談体制が見直されたことを考えると大きな成果があったものと伺えます。
そして、この法律の第6条には、部落差別の実態調査が明記されており、すでに、法務省は実態調査をおこない、調査結果も公表されています。
この調査結果でもやはり、当会が主張していたように、今や同和問題は解決の過程にあることが、証明された結果となりました。
私たちは、この法律を拡大解釈することなく、有効活用することで、完全解決に、繋げていきたいと思いますが、一点気がかりな事があります。
それは、この法律では、人権が侵害された場合の被害者の実効性のある救済措置が、明記されておらず、あくまでも理念法でありますので、今なお、人権侵害で悩み、苦しむ人たちを救済できる法律でないということであります。
私たちが、強く求めている「人権擁護法案」は、パリ原則に応じた簡易・迅速・柔軟に、人権救済を図る目的で、国家行政組織法の第3条委員会として、人権委員会の設置を中心とする法律なのであります。
この法律であれば、今なお、人権侵害で苦しむ人たちが、泣き寝入りせずに早期に人権問題が解決できると、確信しております。
そして、この法律を成立させることこそが、私自身の使命であると心しておりますので、皆様方のご支援・ご協力を賜ります事を、切にお願いする次第であります。
それでは、本年が皆様方にとって、幸多き一年となりますことを、心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
今年一年よろしくお願い致します。
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